一般社団法人エンジェルプロジェクト

代表理事  大榎 天始

学校現場を経て、障害者グループホームに5年間勤務し、昨年一般社団法人を設立しました。
グループホームは地域の中に建てることに意味があるため、住宅地の真ん中に建設するのですが、残念なことに障害者に理解のある地域ばかりではありません。それでも、住まいで困っている障害のある方はたくさんいて、その現状を何とか変えたいと一念発起しました。本当にさまざまな方にご協力いただき、何とか一棟目のグループホームの開設が目前に迫りました。

この業界に入ったばかりのころは、「利用者様のため」と言いつつ、支援者都合で支援してしまうことがありました。
ある時、自分が「利用者様のため」という言葉を使っている時は思考停止状態になっていることに気づきました。「利用者様のため」ではなく、本当は「支援者のため」ではないのか。矢印が自分に向いてしまっていることに気づいたときは恥ずかしく、利用者様に申し訳ない気持ちになりました。それ以降は、利用者様に矢印を向けることを心掛け、なぜ困っているのか、何に困っているのか、何を考えているのか、先入観を捨てて支援にあたることを大切にしてきました。先入観や思い込みを捨てて、利用者様に寄り添い、不安や困りごとを利用者様と一緒に解決していく、そんな当たり前の支援を、当たり前に提供することが私たち支援者に求めらていることだと考えています。
手を差し伸べるのではなく、「一緒に同じ方向を向く」という感覚を大切にしていきたいです。

障がいのある方が住み慣れた地域で安心して暮らすことができ、障がいのある人にとってもない人にとっても、誰にとっても住みやすく、優しく温かい社会になるように。
そんな社会の実現のために、自分たちにできることを一歩ずつ取り組んでいきます。
感謝の気持ちを忘れず、少しでも皆様のお役に立てるよう励んでいきます。

2021年7月1日